テイラー・シェリダン監督『モンタナの目撃者』を鑑賞

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テイラー・シェリダン監督の『モンタナの目撃者(Those who wish me dead)』を観た。
(原題って…「私の死を願う誰か…」みたいな意味なのか?)
感想を一言で言うと…面白い。
緊張感に満ちていて、ハラハラドキドキさせられる部分が多い。少し、懐かしい映画にも感じた。
70年代のアクション映画。
ピーター・イェーツ監督の『ブリット』や、サム・ペキンパーの『ゲッタウェイ』みたいな感じ。
こんなに単純で良いのか…。 こんなに映画を荒々しく進めていいのか…。
と疑問はあるが、でもきっと良いのだろう。映画でしか味わえないスリルを感じたのだ。
冒頭の爆破シーンでは…少し不信感が生じた。まったく、サスペンスが生まれず、
ただ爆破の音量にビビる…ただのサプライズ演出だった。びっくりするが、一瞬だけ。サプライズは長くは引きづらない。
冒頭の爆破から「あまり期待できない」と思っていたが…、徐々に盛り上げっていく。
何より、悪役の二人。
この男二人は完全な悪にも関わらず、ワル二人のみの登場場面の分量がやたら多いのだ。
そういう意味で、通常の勧善懲悪もの、とはすこし作劇をズラしている。
悪二人も金で動いている。 彼らの内情をチョコっと映画の中で見せているが、
一切肩入れできないキャラクター。 演出で彼らのシーンが多いにも関わらず、
彼らに一切肩入れできない…という事が、逆に自分にとっては面白かった。
何よりも、スリル感が張り詰めていて、いつ誰が殺されるかが、わからない。
躊躇なく殺す彼らを目の当たりにすると、怖くて怖くて、
ただのアクション映画のお決まりの『殺るか殺されるか』シーンが、
ものすごい緊張感に満ちた瞬間になる。久々に味わった作品。
粗い所もあるけど、良い所たくさん。『モンタナの目撃者』。
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